2010/08/14

1200人が一晩閉じ込められる!

一昨日、ゲレンデの天候が急変して、風速200mを超える強風に襲われました。

我々は、夜明け前から早朝ゲートトレーニングを行い、少し休憩をしている間のことでした・・・。11時00分

朝からの風がドンドン強くなり・・・。

ロードがクローズするかも・・・。


嫌な予感。



慌てて車に乗り込みロードへ・・・。

見る見るうちに吹き荒れる風の強さが増す。

ロードクローズ。

天気予報では、翌日のお昼ごろまで、強風の予報。

車内では危険なためレストハウスへ避難。


覚悟。


私は、過去21年こんなタイミングを上手くかわしてきましたが、あまりにも急激な天候の移り変わりに、早い段階で覚悟を決めていました。


「きっと今晩は、家に帰れないだろう・・・。」って。



今までに天候で山から降りられない事態があった事を何度か聞いたことがありました。しかし、21年間で数回です。

もちろん、私は初めてです。

そして、今回は1200人。過去最大級の事態です。



私は、マウンテンマネージャー(デービット)の動きに注目していました。

各部署は、

パトロールによるゲレンデからの避難・誘導、リフトスタッフの機材撤収及びレストハウス周辺の安全確保、ロードスタッフの懸命な除雪作業、駐車場スタッフの避難・誘導、ゲストサービスの対応、、、。

はじめに各部署がするべき事を普段通りやった感じがしました。13:00頃

しかし、実際はこれからです。

スタッフもこの人数で泊まる事を想定したシュミレーションはされていなかったと思います。(1200人ですから・・・)

子供たちのスキートリップの団体が、大型バスで何台も来ていました。



マウンテンマネージャーの第一声は、15:00頃

天気の状況とそれに合わせての対応方法やその方向性の話。

不安に思うお客様への励ましと情報を出すことにより混乱を最小限に。

リーダーの話に一同が注目する姿が印象的でした・・・。



二回目のアナウンスは、17:00頃

疲労や空腹が出始めた雰囲気の中、夕食を提供するという話。

子供たちを優先して、順番に対応し、全員分ちゃんと用意するという話。

食事中は、ノリの良い音楽やDVD(映画)の放映され、疲れが出始めたみんなにも少し元気がでる感じがしました。

館内の雰囲気が変わりましたね・・・。



三回目のアナウンス(もはやスピーチ)は、19:00頃

空腹が満たされ、和やかな雰囲気の中でのスピーチは、

天候の状況と・・・・

「今晩、ここでみんなで泊まる決断をした!」という話。

皆なの落胆する事態も最小限に抑えられた状況での話は、まさにパーフェクトだと思いました。



この三回のアナウンスの合間にもデービット(マウンテンマネージャー)は、各部署に細かな指示を出す姿があり、無線と携帯で常に誰かと話しながら、動きまわっておりました。

もちろん、この事態は、こちらでは大きなニュースとなっており、メディアへの対応も常に応え、綴じ込まられたお客様の状況をSKYPEやFMラジオを通じて情報を出し続けていました。


その後も、寝るための準備の話、体調が優れない方への声がけや対応、状況証明書の発行など、細々として対応をすべてデービットが率先して行っていました。

問い合わせ窓口もすべてデービットが直接一人ひとりから話を聞くスタイルをとっており、デービットの判断でそれぞれに対応する方法をスタッフに指示を出しておりました。

なかなかできることではないと思います。

クレーム時の対応がよく取り上げられる昨今ですが、丁寧にマウンテンマネージャーが話を聞き、その判断を聞くお客様は、みな納得している様子でした。



夜は、決して良いコンディションで寝れていたわけではありません。

ウエアを着て、直接床に雑魚寝です。

すきま風も多く、十分なスペースのない状況でした。



朝7:00 夜明けと共にデービットのスピーチ。

天気の状況、体調の悪い方の確認、そして朝食を無料で用意するという話。

回復傾向にある天候に望みを持ち、朝食を取り、元気を出すようにというメッセージには、十分に寝れなかった者たちが多い中、雰囲気を持ち直させたと思います。



朝9:00 まもなく下山が可能になるというスピーチ。

しかし、混乱を避けるために、すぐに下ろす連絡ではなく、少し早めにこの連絡をしたところにポイントがあったと思います。

お客も少しずつ帰り支度をし、混乱することなく移動。

スタッフも前夜から交代で、見回りや食事の準備、お客さんの誘導、、、。

そして、片付ける作業時間をも組み込まれた指示があったように思えます。



朝10:00 いよいよ下山。

強風もかなり収まっていたものの、強い雨が降っていましたが、スタッフのかなりの人たちが駐車場出口まで並び、混乱させないように順番に誘導。


山道を下りたゲートでは、「帰宅まで気をつけておかえりください」と、RED BULLを一人ひとりに配る対応。


私たちは、前日6時から山に上がっていますので、28時間、山に閉じ込められた事になります。

1200人が閉じ込められる事件


メスベンの街や山の入口付近には、テレビ中継車や中継ヘリが来ており、この事態の大きさを改めて感じさせられました。


強風で駐車場の車の窓ガラスが割れたりはあったようですが、幸いにもレストハウスにいるお客には怪我人もなく、無事事態は終息を迎えました


この事態に、リーダーの能力、そしてそれを支えるスタッフの動きを学ばせていただいた気がします。


我らのマウンテンマネージャー・デービット!


難しい判断が多い中、素晴らしいリーダーシップだったと思います。

ありがとう! そして、お疲れ様!

3 件のコメント:

  1. 本当に本当にご無事で何よりです!
    お疲れ様でした!!!
    大混乱になってもおかしくない状況の中、いろいろなことに気を配り的確な判断・指示を下すマウンテンマネージャー、素敵です。マウンテンマネージャーに相応しい人、といえるのでしょうね。その場に居たら惚れていたかも(笑)
    雪山での宿泊、それに加え床での就寝。
    腰が心配です・・・

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  2. おつかれさまでしたー。
    私も富山の僻地に演劇のフェスティバルで二週間泊り込みをしており、こちらのブログもなかなか見られなかったのですが、なんとも大変な事態があったのですね!!
    しかし、緊急時にこそ、真のリーダーシップがとわれるというのもよくわかります。常に最悪の事態を予測しておくことも必要ですね。わたしも肝に銘じなければ…。

    さて、こちらはフェスが終わり次第NZ入りできればいいなーと思っています。(結果次第ではまだわからないのですが)またご連絡しまーす☆

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  3. コメントありがとうございます!

    今回は、ホント勉強になりました。

    そして、こういう経験を活かしてこそ!とも思っています。

    日々精進です・・。

    ところで腰は、床で寝るにはまだよくなくて、寝れないまま朝を迎えた感じでした。

    20代の頃の徹夜と、同じようには行きませんね・・・。

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